2011年04月22日 あなたもチャレンジ!家庭菜園

家庭菜園の日々の管理           板木技術士事務所 板木利隆

 春から夏にかけて野菜の育ちは大変早く、日々その姿を変えてきます。その育ち方を知り、適切な管理をすることが、良質野菜、多収の基本です。  管理の狙いは、(1)健全な葉を必要な枚数付けさせ、(2)各葉によく光を当て、(3)根からの養水分を適量与え、光合成を盛んに行わせることです。ちなみに長期に収穫し続ける果菜類では、果実1個当たり、ナス、ピーマンは7〜8枚、キュウリは3枚、カボチャでは15枚、スイカでは40〜50枚の健全な葉数が必要です。株間を広めに取り、整枝を適正に行うこと、果実が多過ぎれば摘果して制限し、あるいは小さいうちに収穫し、1果当たりの葉数を確保することが重要になるわけです。  次に、各葉に光をよく当てるために、余分に伸びてきた脇芽や、重なり合ってお互いに陰をつくってしまう葉は摘み取ることです。トマトの脇芽は2〜3日見ないと残すべき主枝と見紛うほど大きく伸びてしまいます。キュウリの子づる、孫づるは、一日で3〜4cmも伸びるのです。育ち盛りには1〜2日置きには必ず、見過ごさずに摘み取ってください。病害虫で葉が傷められないようにするのは当然ですが、機能が発揮できなくなった葉は早めに摘除して健全な葉や果実によく光を当てるよう心掛けることも大切です。  肥料のことは次号に譲りますが、水分不足は葉の気孔開度を小さくし、光合成作用を大きく損ねてしまいますので、株元へのフィルムマルチ、盛夏期の敷きわらは重要です。水分の吸収量は、晴天と曇天で6〜8倍も違うので、天候に応じたかん水の加減が重要です。このことは地下からの吸水がまったくないプランターの管理では特に心得ておかねばなりません。  盛夏の太陽光は強過ぎ、生育に有害となる場合がしばしばあります。強光は高温を伴うので、特に低温性のホウレンソウやチンゲンサイ、シュンギクなど、あるいは秋野菜作りのためのキャベツ、ハクサイなど、幼苗期にはべた掛け資材のトンネルで遮光するのが有効です。害虫回避の効果も発揮できるので、一挙両得のおすすめ技術といえましょう。(この記事は「JA広報通信」に掲載されたものです)