2011年08月22日 四季の花づくり

寒さに強いユリ、今からが植えどき            早川京子

 多くの球根は10月中に植え付けるのがよいのですが、ユリは10月下旬から11月に入ってからが植え付け時期です。ユリは暑さには比較的弱いものの、寒さには強いからです。植え付け場所も、夏には風通しが良く涼しい場所を選びましょう。なかでも、オトメユリ、カノコユリ、ササユリ、タケシマユリ、ヤマユリやこれらを親にして交雑したユリ類は、西日が長時間当たらない場所に植えましょう。生育だけでなく、花の色も鮮やかさが違います。  ユリは生育期間が長いので、植え付け場所に施す元肥は、有機質肥料を入れて、長く肥効を保つようにします。球根を植え付ける深さは、一般的に球根の高さの2倍の土が掛かるようにしますが、ユリは3倍の土が掛かる深さにします。球根の下に伸びる下根の他に、球根から伸びた茎にも上根といわれる根が出てきて、吸肥など重要な役割をしますし、深く植えることで、地温の変化、特に夏の地温の上昇に影響されにくくなります。これが、ウイルス病の予防にもつながります。  気温が15度を下回る日が多くなった地域では、ヒヤシンスなどの球根の水栽培を始めましょう。球根が支えられるような容器に球根を置き、初めは発根部に着く位置まで水を入れますが、根が伸びるに従って、徐々に水位を下げ、根が容器の底に着くくらいになったら、水位は容器の3分の2か半分程度にして、根に酸素が供給されるようにします。根の伸長に光はいりませんから、容器を置く場所は部屋の隅など、暗くて冷たい所で十分です。  ハボタンは寒さに反応して葉が色づいてきますが、そのころが、定植の適期になります。追肥はせずに、30cm間隔ぐらいに植え付けます。色を見て、バランス良く植え付けましょう。(この記事は「JA広報通信」に掲載されたものです)