2011年11月21日 四季の花づくり

ハボタンにもう「一花」期待                早川京子  

 冬の花壇を飾ってくれたハボタンや旧正月の窓辺に愛らしい花を見せてくれたフクジュソウなどは、2月末ごろになると、とう(花茎)が立ったり、花が終わったりする時期になります。今年のお役は御免という状態ですが、ハボタンはもう「一花」咲かせ、フクジュソウは来年に向けて、「英気」を養ってもらいましょう。  
 ハボタンはキャベツと同じ植物が祖先とされています。そんな祖先から、葉の色や広がり方に注目して改良したものですので、キャベツと同じように、2月後半になって、気温が上がってくると、とう立ちし、花が咲きます。花が咲いて種子ができると枯れてしまいます。ですから、一般的には、この状態になるころには、引き抜いて捨ててしまいます。でも、種子を付けないようにしておくと宿根草のように長生きするようになります。とうが伸び切ったときか、蕾(つぼみ)ができたところで、花茎を切り捨ててやると、やがて、枝が出てきて、変わった姿のハボタンの株になってきます。踊りハボタンとか枝ハボタンとか呼んでいます。二年子ハボタンと呼ぶ人もいるようです。  
 一方、旧暦の正月ごろに咲くので、「元日草」という異名もあるフクジュソウは、鉢植えで楽しんだものは、捨ててしまわないで、来年も花を咲かせてくれるよう、養生してやります。フクジュソウは寒さには強いのですが、暑さには弱いので、2月末ごろ、落葉樹の下に植え直しておきましょう。鉢植えのまま埋めておいてもいいでしょう。  他の宿根草より早く芽が動きだす日本サクラソウは、2月初めが植えどきになりますので、注意しましょう。  
 春先には、春の花壇作業が始まりますので、3月半ばからは、地ごしらえなど植え付け前の準備をしておきましょう。(この記事は「JA広報通信」に掲載されたものです)