2012年02月28日 四季の花づくり

ヨルガオの種は早めに入手を            早川京子  
 
 種まき、苗や球根の植え付け、宿根草の株分け・植え付けなど、夏の花壇を飾るための作業が目白押しの季節になります。手際良く作業を進めたいものですが、気温が上がっていく季節ですので、種まきなどはそんなに急がなくてもいいのですが、育苗中の苗は急激に育ってきますから、込み合って徒長しないように気を付けておきましょう。  
 また、気温が上がってくると、苗の花壇への定植や苗床での植え広げのときの植え傷みにも気を付けましょう。掘り取って、植え付けるまでにしおれやすくなりますので、土が乾いているようなら、植える2時間くらい前に、軽く水をまいておき、掘り取り時に、根に土が付いてくるようにします。  
 種をまくものでも、サルビアやアサガオ、ヨルガオなど、高温を好むものは来月に入ってからでも大丈夫ですが、一部の種子の手配は早めにしておきましょう。2011年からの夏場の節電対策で「緑のカーテン」作りが盛んになり、なかでも、香りが良くて、花が大きいヨルガオが人気急騰のようです。  
 このヨルガオを、ユウガオということがあるようですが、正確には、ユウガオとヨルガオは別物ですので、注意してください。『源氏物語』に登場する美人の「夕顔」が、思い浮かぶせいか、「ユウガオ」と思っている人がいるようですが、ユウガオはかんぴょうの原料になるウリ科の植物です。種苗会社でも「ユウガオ」と名付けているものがありますが、「白花夕顔」など、「白花」と銘打っているものを入手してください。  
 春花壇を彩ってくれた草花の球根は、地上部が枯れてきたら、掘り上げて、日陰で乾かし、ネズミに食われないように、網袋など通気性の良いものに入れ、軒につるすなどして、秋の植え付けを待ちます。(この記事は「JA広報通信」に掲載されたものです)