2012年05月07日 四季の花づくり

種まきどきをずらす楽しみ               早川京子

 チューリップ、ヒヤシンス、スイセンなど秋植えの球根は、葉がそろそろ枯れてくるころですので、土があまり多くの水気を含んでいない梅雨前に掘り上げて、貯蔵しましょう。スイセンは3〜4年に1度掘り上げればいいのですが、花が咲かなかったものは、おそらく球根が十分に大きくなっていなかったのでしょうから、今年は、必ず掘り上げて、今秋の植え付けで、植え付け間隔を広くして養成し、再来年を期待してみましょう。  
 夏花壇の植え付け準備に入りましょう。4、5月に種まきをして、育ててきた苗は急速に大きくなってきますので、植え付け場所の地ごしらえをしましょう。消石灰をまいて、酸性に傾いている土を矯正し、元肥を施しておきます。  
 ハナショウブやジャーマンアイリスは、開花後すぐが株分け・植え付けの適期です。株分け時には、葉を半分ぐらいの長さに切ってやります。株は1株1芽に分けます。植え付け場所は、同じ場所を避け、浅めに植えます。植え付け直後の、水やりは少なめにしましょう。  
 サルビア、コスモス、マリーゴールドなど高い温度で発芽する草花は、6月はもちろんのこと、7月に入っても、まけます。これからまくと、草丈が伸び過ぎになりにくいので、良いこともあります。これらの草花は、日が短くなると花が咲く短日性の植物ですので、遅くまくと、草丈が小さいうちに花が咲きます。  
 これらの草花は、夏に1度、株の途中で切り詰めてやる切り戻しをすると、秋に再び花芽を作る性質もあります。この特徴と、前述の種まき時期の時間差を利用すれば、長い間花を楽しむことができます。(この記事は「JA広報通信」に掲載されたものです)