2012年06月19日 四季の花づくり

念入りに水やりを                     早川京子  

 例年、立秋を過ぎてもまだまだ暑さが続きます。植物には過酷な条件ですから、水やりは普段以上に気を使う必要があります。花壇では、なるべく午前中に、たっぷりとやりましょう。さっと掛ける程度だと、水が土の表面を、流れてしまい、効果が薄くなる可能性があります。また、鉢植えでは、土の量が少ないし、鉢の周囲からも夏の暑さが攻めてきて、鉢土は乾きやすくなりますので、1日1回と決めず、鉢土の表面が白くなったら、掛けてやります。基本的には、夕方からはやらないようにしますが、つぼみができて、翌朝から咲く段階になった場合は例外です。大きな、形の正常な花を咲かすため、夕方にもやっておきましょう。パンジー、キンギョソウなどまき付けた当座は、水を張った鉢の受け皿や洗面器の中で、下からかん水します。上から、じょうろなどで水を掛けると、種子が飛び散ったり、流れたりし、一部に偏って、生育も偏る心配があります。  
 夏の日差しは、冬の2倍にもなるほどですので、キンギョソウ、ハボタン、デージー、パンジーなど育苗中のものは日陰に置くか、すだれ、寒冷しゃなどで日覆いをしてやります。遅まきにしたアサガオ、コスモスなども同じです。  
 サルビア、コスモス、マリーゴールド、コリウスなどやダリアは、花の咲き方が少なくなってきたら、草丈の3分の1くらいで、切り戻しておきます。秋にもう一度、花を期待するためです。このとき、追肥をして、体力回復を図ってやりましょう。  
 9月になると、秋まき草花の種まき、球根の植え付け、宿根草の株分けなどの時期になりますので、準備をしておきましょう。苗床予定場所や球根や苗物の植え付け場所は消石灰をまいて、酸性土を中和しておきます。定植予定地には、元肥も施し、作業が遅れないようにしましょう。秋は、急激に気温が下がっていきますので、草花の生育に影響が出やすい季節です。(この記事は「JA広報通信」に掲載されたものです)