2012年08月31日 四季の花づくり

作業盛り、手際よく進めよう              早川京子  
 
 種まき・育苗、球根植え付け、挿し芽、株分けと、来春の花壇を飾る草花への各種作業は、多くの地域で10月が盛りの時期になります。  
 秋まき草花の発芽適温は15〜20度です。まきどきの一般的な目安を「彼岸ころ」としていますが、わが国の南北では気温は大きな開きがありますので、地域によって、これより2週間くらい前後することは当然です。秋まきで大切なのは、寒くなる前に冬越しに耐えるよう根をしっかり張らせることです。秋の気温は急激に低下していきますので、春まきより適期幅が狭いと考えましょう。  
 9月にまいた草花は、小苗に育ってきていますが、10月早めに植え広げて成長させ、下旬には花壇に定植しましょう。これで、凍るほどに寒くなる前に、十分に根を張らせ、来春の良い花を期待しましょう。  
 球根の植え付けは、種まきをするものより遅くてもよいでしょう。植え付け深さは、球根の高さの2〜3倍ですが、ユリだけは、3〜4倍の深さにします。ユリは、伸びた茎の基部に上根と呼ぶ、肥料を吸う働きをする根が出てくるためです。  
 球根の水栽培をするなら、気温が15度以下になってからにします。水生の病原細菌が繁殖しにくくなるからです。根の伸長には、光は要らないので、透明な容器を使うときは、紙などで覆って根の伸長部は暗くしておきます。  
 ゼラニウム、ペラルゴニウム、ナデシコ、カーネーション、マーガレットなどの挿し芽、ガーベラ、アルメリア(ハマカンザシ)、ガザニアなどの宿根草の株分けは多くの地域で、10月が好適期です。(この記事は「JA広報通信」に掲載されたものです)