2012年09月27日 四季の花づくり

苗植え付け、寒さ前に根伸ばす           早川京子  

 育苗中の苗は、11月上旬には花壇に本植えし、本格的な寒さが来る前に、越冬に耐えるよう根をしっかり伸ばさせましょう。霜の降りる地域では、降霜前に、霜よけを作っておきます。ワスレナグサ、ハナビシソウなどは、十分に根を張らせておけば、強い霜の来ない地域なら、北側にササなどを立てて風よけをしておくだけでいいでしょう。  
 気温の高い地域では、インパチェンス、マリーゴールド、サルビアなどはまだ花を咲かせているかもしれません。これを引き抜いて、新しい苗を植え付けるのはもったいない気がします。そんな地域では、育苗用のポリポットに仮植えして育てておき、花壇の花が咲き終わってから、ポットから土ごとすっぽり抜いて、植えましょう。  
 宿根草は枯れた茎を地際で切り、枯れ草や落ち葉などを掛けて保護しておけば、冬越しできます。堆肥を掛けておくのもよいでしょう。  
 多くの球根は植え付けを終えたでしょうが、寒さに強いユリは11月に植えても大丈夫です。ユリは、球根から伸びた茎に、上根と呼ぶ吸収根が出てくる、独特の構造がありますので、球根の高さの3倍土を掛けるくらいに深く植え付ける必要があります。肥料はこの上根・吸収根から主に吸い上げられますので、上根は重要な役割があります。ですから、有機質を中心にした元肥も、球根の少し上に施します。  
 ヒヤシンスやクロッカスの水栽培は、気温が15度を下回るようになったら取り掛かりましょう。水に、病原細菌を発生させずに済みます。根の伸長に光は必要ありませんので、水栽培の容器は暗い所に置きます。根の伸びに従って、少しずつ水位は下げていきます。(この記事は「JA広報通信」に掲載されたものです)