2012年11月29日 四季の花づくり

土の再生を狙って寒ざらし               早川京子  
 
 球根や苗物への水やりを忘れないようにしましょう。毎日やる必要はありませんが、土の表面が白っぽく見えるようになったら、少し気温が上がる午前中にたっぷりとやっておきましょう。  
 作業の少ない、この時期にやっておきたいのは、花壇の土の天地返し、寒ざらしです。30cmくらいの深さで耕し、下方のあまり空気に触れていない土を上に出し、上下をひっくり返してやります。こうすることで、寒風にさらされ、時には雨にも打たれて、土は空気をたくさん含む、ふっくらした土になります。良い花を咲かせるために、重要な根の働きをよくする土になりますので、重労働ですが、ぜひやっておきたいものです。2月ぐらいまでかかって、ゆっくり取り組みましょう。大方の家の花壇では、毎年同じ場所に作り続けられているでしょうから、この作業の時、1平方m当たり150gくらいの消石灰を振っておくとよいでしょう。酸性土の矯正ができます。今は荒起こしにしておいて、種まきや苗植え付けの前に、土を砕いて細かくしてやります。  
 正月の居間を飾ろうと平鉢や浅い植木鉢に植えたフクジュソウは、花が終わったら、庭植えにするか、深い鉢に植え替えて、根を十分に張らせないと、次の年に花を咲かせられません。冬、日光がよく当たり、夏は半日陰になるような場所に植えます。カエデなど落葉樹の下がよく利用されますが、そんな所がなければ、日のよく当たる場所に植えて、地上部が枯れる6月ごろからは、寒冷紗でトンネル状に覆ってやるのも便法です。稲わらが用意できる人は、数cmに分厚く敷きわらをしておく手もあります。  
 多くの草花の種まき、植え付けは3月ごろからですので、年初の今月は、一年の花壇作りの構想を練る月でもあります。(この記事は「JA広報通信」に掲載されたものです)