2013年03月01日 四季の花づくり

植え広げで良苗作る                   早川京子  

 宿根草の根は活動を始め、球根は土に下ろしてやればすぐに活動を始めますので、株分けや植え付けを早めに進めましょう。種まきはゆっくりやりましょう。  
 「ソメイヨシノ」の花が散る頃を目安にまいた1年生草花は、気温の上昇が急激な4月には、急速に育ちます。本葉1〜2枚で植え広げて、丈夫な苗に育て上げます。多くの草花は、定植までに1〜2度移植して、細根を出させるとともに、株全体の風通しや日当たりを良くしてやることで、丈夫な苗に育ちます。ただ、クレオメ、ケイトウ類、ヒマワリ、センニチコウなどは移植を嫌いますので、定植場所にじかまきし、間引きをして1株にしてやるか、最初の移植時のまだ小さい苗のときに、よく育った苗を定植します。  
 チューリップ、スイセンなど秋植えの球根は、間もなく花が終わりますが、次年の開花を良くするための管理に気を配りましょう。まず、花が咲き終わったら、花茎を切り取って、種子を付けさせないようにします。種子を作ると栄養を使いますので、球根は充実できなくなります。球根の充実には、光合成でしっかり栄養を作らせることが大切で、その役目をする葉が重要になります。なるべく傷つけないようにしてやりましょう。葉が黄ばんできたら、梅雨入り前に、球根を掘り起こし、軒下など風通しの良い場所で貯蔵します。チューリップは毎年、スイセンは3年に1度の間隔で掘り上げましょう。チューリップは、毎年新しい小球根が数個ずつできますので、何年も掘り上げないでおくと、生育のスペースがなくなり、花の咲かない小さな球根ばかりになってしまいます。一方、スイセンは毎年、球根の中心部に2枚ずつの鱗片(りんぺん)ができていき、4年で『一人前』の球根になりますが、分球もあるので、スペースを確保しなければなりませんから、いつまでも植えっ放しにしておくわけにはいきません。(この記事は「JA広報通信」に掲載されたものです)