2013年05月02日 四季の花づくり

種まき、株分け、球根掘り上げ……              早川京子
 
 春花壇を飾った草花は、そろそろ花は終わり、草姿も悪くなってきますので、次期の種まきや植え付けのため、花壇の整理をしましょう。  
 そんな中で、秋植えの球根草花は、花後も葉を青々とさせて、地下の球根にせっせと光合成で作った養分を送り続けますが、暑くなるとそろそろ葉が枯れてきます。こうなると、光合成能力はなくなってきますので、梅雨入り前の晴れた日に掘り上げます。軒につるすなど、風通しの良い所で貯蔵しましょう。  
 スイセンは3、4年に1回掘り上げますが、今期、花の咲く株があまり多くなかった花壇では、それより短期間ではあっても掘り上げて、来シーズンは少し広い間隔で植え付けましょう。スイセンに限りませんが、球根草花の花が咲かなくなるのは、株の間隔が狭くなって、球根が十分に大きくなれず、花芽を持てなくなってしまうからです。球根が貧弱になってしまうためですので、植え付け場所に堆肥など有機物を十分に入れて、土を肥やして、球根の植え付け間隔も広く取りましょう。  
 5〜6月は、菊、コリウス、ブルーデージー、ベゴニアなどにとって、挿し芽で増やす好都合の時期です。川砂に挿しておけば、よく発根します。クレマチスも花が終わるこの時期が挿し芽の適期です。咲き終わった花は切り落とし、その下に3節を付けて給水させ、切り口を粘土でだんご状に巻いて、植木鉢などの土に挿しておきます。
 ハナショウブなどアヤメの仲間は、他の多くの草花と違って、花の咲き終わった直後が、株分けの時期になります。花直後に親株の脇にできた若苗から根が出てくるからです。若苗の葉は3分の2くらいに切り詰めて植え付けます。  アサガオ、ケイトウなど発芽に高温を要する草花は、まだまけます。草丈が低いうちに花芽が付き、花が咲きます。(この記事は「JA広報通信」に掲載されたものです)