2013年05月02日 あなたもチャレンジ!家庭菜園

キュウリを上手に育てるポイント   板木技術士事務所 板木利隆  
 
 最盛期にはつる先が1日に5〜6cmも伸びるほどに、キュウリは野菜の中では育ちが早いです。この早さを支えるように、手厚く管理することが、ことのほか大切です。
 上手に育て上げ、良果をたくさん得るポイントは次の五つです。
 (1)早い育ちに応えられるよう元肥、追肥を上手に適期に施す。
 (2)葉が大きくて密になり込み合いやすいので、誘引・整枝・摘心を適切 に、入念に行う。
 (3)土の乾燥や荒風に弱いので、マルチ、灌水(かんすい)を心掛け、風 をよける対策を講じる。
 (4)病害虫にやられやすいので、発生を早く発見し、先手を打って防除に 努 める。
 (5)草勢、着果に応じて収穫果の大きさを変え、利用の仕方を工夫して食 卓をにぎわす。
 5項目を順を追って説明すると、(1)の施肥については、元肥は、少なくも植え付けの1カ月前までに、畝全面に堆肥、ピートモス、有機配合、化成肥料をばらまき、18〜20cmの深さによく耕し込んでおきます。根系は浅く横に広がるので、トマトのように深溝、縦型に施す必要はありません。生育、吸収が早いので、最初から肥効が十分表れることが必要。また追肥も半月に1回程度、油かすや化成肥料を与え肥切れさせないことが大切です。  
 (2)の誘引・整枝は、毎日見回って図のように芽かき、摘心し、支柱への縛りを入念に行いましょう。葉が込み過ぎた場合は、重なり葉や老化葉、病葉などの摘除も必要です。  
 (3)は、根はもろくて乾燥に弱く、一方、葉は大きく蒸散が盛んなので、それに応じる水分補給と、地面蒸発防止のマルチ、敷きわらを行います。葉は強風に当たると損傷しやすく、果実の風ずれを生じやすいので、防風ネットや障壁のソルゴ植えなどが必要な所もあります。  
 (4)べと病、炭疽(たんそ)病、アブラムシ、テントウムシダマシなどに要注意。これらは特定の株から発生しやすいので、発生葉の摘除、害虫除去でまず対応し、薬剤の早期散布を心掛けましょう。  
 (5)収穫の大きさ100g内外は市場流通でのこと。家庭菜園ではそれにこだわらず、大果(150〜180g、味はこれが一番)、もろきゅう(30〜40g、みそを付けて丸かじり)、花まる(雌花の開花中のもの、つま物にして食べる)、添え物(雄花の開花中のもの、料理の飾り物)など、自由度の高い収穫サイズを楽しみましょう。(この記事は「JA広報通信」に掲載されたものです)