2013年09月09日 四季の花づくり

菊花展を菊作りの入り口に                    早川京子

 近年は地球温暖化のせいか、10月でも気温はまだ高めですが、秋が深まるほどに気温は下がっていきますので、秋まき草花のまきどきには気を使いましょう。  
 クリサンセマム、オダマキ、ヤグルマギクの一種のスイートサルタンなど、9月にまいたものは、株間が込み合ってきた頃に植え広げ、10月下旬に定植します。  
 チューリップなど秋植え球根は10月中に植えておきましょう。11月に入ってからでも、大丈夫ですが、地温のあるうちに根をしっかり伸ばさせ、寒期を過ごすために水をしっかり吸える体をつくらせます。  
 球根の水栽培は、水温が15度以下になってから始めます。水温が高い時期には病菌が繁殖しやすく、うまくできない可能性が高いからです。水には肥料を入れる必要はありませんが、根が十分に伸びるまでは、容器を暗い場所に置くか、光の通りにくいもので覆っておきましょう。根は酸素を必要としますので、根の伸長に合わせて水位を少しずつ下げていきます。  
 ガザニア、アルメリア、モス・フロックス(シバザクラ)など宿根草は株分けの時期です。挿し芽も好適期です。発根したものは、下旬頃に鉢に植えて養成します。  
 秋には、日本の代表的な風物詩である菊花展が全国各地で開かれます。早いところでは10月の初めから催すところもあります。ほとんどの菊花展が鉢菊の即売をやっていますので、菊作りを始めてみようと考えている人は、この菊花展で気に入った色の鉢菊を買い求めておき、苗作りの準備をしましょう。買い求めた鉢菊の花が終わったら、親茎は15cmほどで切っておきます。親株脇に、春までの間に芽(冬至芽)が出てきますので、これを育てて来春に苗を増やします。雨の掛からない場所で管理しましょう。(この記事は「JA広報通信」に掲載されたものです)