2013年11月15日 四季の花づくり

冬も植物は水を欲しがる                     早川京子

 秋植え球根は10月ぐらいまでに植え付けておきたいのですが、12月に植えても草丈は短くなりますが、春の通常の時期に開花します。植え付けの深さを少し浅くして、稲わら、落ち葉などで防寒のマルチをしておきます。  
 貴重な冬花壇の「役者」であるハボタンは色味を増してきます。園芸店などで苗を買ってくれば大きさをそろえられますが、自前で夏から育ててきた苗は、どうしても大きさが不ぞろいになります。花壇の奥に草丈の高いものを植え、低いものを手前に植えると立体感が得られます。全体を同じ高さに見せるなら、草丈の高いものは深植えにする手もあります。ハボタンはキャベツの仲間で、寒さには強いものですが、ちりめん系は比較的寒さに弱い系統ですので、寒風の当たりにくい南面に植えるのがよいでしょう。  
 冬期は、太平洋側を中心に、降水量が少なくなり、花壇は乾きやすくなります。特に、ビニール被覆などで防寒してある所では、渇水状態はひどくなります。冬とはいえ、地上に芽を出していない球根や宿根草も水を吸い上げながら生きています。水分が不足すると、体力維持に影響があり、来春の花の咲き具合に影響しますので、地表面が白く乾いてきたら、たっぷりと水やりをしましょう。凍るような寒さの日には、朝や午後遅くにやると凍ることがあるので、昼近くの気温が上がってからやるのがいいでしょう。  
 10月末から11月初旬の水温が15度くらいになって始めたヒヤシンスなど秋植え球根の水栽培では、根が容器の底に着くほどに伸びてきたころから、冬の低温にさらしてやります。秋植え球根は、一定期間、冬の低温に遭わせないと開花しません。立春ころまで寒さに遭わせます。室内の暖かい所に置くのは、それからにします。(この記事は「JA広報通信」に掲載されたものです)