2013年12月25日 四季の花づくり

寒ざらしで土ふっくら                    早川京子

 今、花壇には宿根草や秋植えの球根が植わっているだけかもしれませんが、凍えるような寒さの中でも、これらの植物は水を必要としています。乾燥させ過ぎると、春の出芽や開花に影響しますので、冬場の水やりは、案外大切な作業です。植物体の呼吸量は少ないので、むろん暖候期ほどの水量は必要ないのですが、花壇の土の表面が白く乾いたころに、十分に水をやりましょう。
 作業の少ない冬期にぜひやっておきたいのは、空いている花壇の土の荒起こしです。長く栽培を繰り返していると、土は硬くなり、空気を含む空間の少ない土になり、草花の生育を弱くさせることになります。そこで、春作業の始まる前の冬の間に、深く土を耕し、下層の土をひっくり返して、冬の寒風と雨に打たせて空気に触れさせ、日光に当てておきましょう。寒風にさらすので、「寒ざらし」ともいいます。深さ30cmくらいの土層を、裏返すように耕します。このままにしておくだけで、細かく砕く必要はありません。春作業の直前に細かくします。起こした後に、酸性化している土を矯正するため、消石灰を振りまいておきます。こうすることで、土はふっくらとして、空気をたくさん含んだ、草花が好む土になります。布団を日に当てて、ふっくらとさせるようなものです。また、日光に当たっていない深層の土を日光に当てることで、殺虫や殺菌の効果も期待できます。  
 サクラソウ(日本サクラソウ)は、春に咲く草花の中でも、いち早く根が動きだす植物です。来月には、植え替えの時期になりますので、早めに植え替え場所を準備しておきましょう。