2014年04月01日 四季の花づくり

挿し芽の好適時期                       

                                  早川京子
 

 4月後半から5月は菊をはじめ、ベゴニア、ゼラニウムなど草花の挿し芽には好適な時期です。バーミキュライトや川砂に挿して、雨の掛からない、半日陰の場所で発根させます。水やりは控えめにしましょう。前回、挿し芽の方法を紹介した菊は発根しやすい植物ですが、朝のうちは直射日光に当てるようにします。発根後はあまり日を置かずに、鉢へ植え替えて養成することも、菊の苗作りのポイントになります。  
 発芽に高温が必要な草花の種まきにも適した時期です。アサガオ、ヨルガオ、ケイトウ、ペチュニアなどがまきどきです。あまり遅くなると草丈が低いうちに咲き始めますので、上旬にまいておきましょう。もっとも、草丈の低い形で花を咲かせたいのなら、もっと遅くまき、別の趣を味わうことはできます。このことは、夏至過ぎから秋の日長が短くなってから花が咲く短日植物には、応用できることです。ハゲイトウは遅くてもいいでしょう。  
 まだ植えていない球根は早めに植えましょう。  
 4月に種まきしたものは、かなり急速に生育して、株間が込み合ってきます。本葉1〜2枚で植え広げて、風通しを良くし、伸び伸びと育つようにしてやります。本葉数枚で定植しますので、早めに酸度の矯正や元肥の施用など花壇の地ごしらえをして、植え付けの準備もしておきましょう。  
 サクラソウは5月中旬には花が終わりますが、この時期が一つの栽培のポイントになります。花が終わったら花をすぐに取り除き、種子を作らせないようにします。さらに、古い根株の上に新しい芽ができていますので、これを覆うように増し土をしておきます。これをやらないと翌年用の良い芽ができません。
 この時期に花が終わるドイツアヤメ(ジャーマンアイリス)も、花の咲いた株の根元に新しい根茎ができています。株分けして植え付けましょう。(この記事は「JA広報通信」に掲載されたものです)