2014年05月21日 四季の花づくり
夏花壇の準備作業 早川京子
6月は、春の花が咲き終わり、夏に花を咲かす草花が活躍の日を待っている時期で、花壇作業は、後片付けと夏花壇の準備の時期といえましょう。
春花壇を飾ってくれたアネモネ、ムスカリ、ヒヤシンス、チューリップなど球根は、梅雨に入る前に掘り起こし、陰干しして貯蔵・保管します。球根は大きな、良いものを残しますが、花壇に余裕があれば、株が込み合って花が咲かなかった小さなものでも、1年養成して再来年の開花を待つのもよいでしょう。
夏花壇の準備は、春の草花を整理した後に、1平方mに100gくらいの消石灰をまき、腐葉土など有機物と化成肥料を入れて、耕しておきます。
カキツバタ、ハナショウブ、ジャーマンアイリスなどは花後なるべく早く、株分けし、植え付けをします。今年花を付けた花茎の両側にできている若い子苗を切り離して、植えます。葉を3分の2くらいに切り詰めて、水分蒸散による消耗を軽くしてやりましょう。新株を根付かせる好適期です。
6月はベゴニア、コリウス、菊などの草花の挿し芽にも好適期です。
菊は、芽摘みをして側枝を増やしておいた株から、10cmくらいに伸びた側枝の先6cmくらいで切り取り株の葉を1〜2枚取り払って挿します。新根が1〜2cmに伸びたら、9〜12cm鉢に植え替え(鉢上げ)をします。10日ほどして、芽が動きだしたのがはっきり分かるようになったら、摘芯しておきます。大輪菊の3本仕立てにするためです。
このように、1本の苗から3本の枝を出させて、それぞれに大きな花を咲かせるのが、本来のやり方ですが、もっと手軽に1本の苗から一つの花を咲かせるやり方もいいのではないでしょうか。9〜12cm鉢に鉢上げしてから3〜4週間たつと、鉢の中に根が回り、鉢の底から根が出てきます。そのころに15〜18cm鉢に植え替えましょう。(この記事は「JA広報通信」に掲載されたものです)