2014年08月21日 四季の花づくり

来春の花壇を夢見て                     早川京子
 
 
 9月中・下旬には球根の植え付け、10月には苗物の植え付け時期を迎えます。土の中和、元肥を入れるなどして花壇の準備を、早めに終えておきましょう。今月植えれば1カ月ほどで咲くスピード開花を見せてくれるサフランは、それだけに「体力」を消耗するのか、元肥をしっかり入れておかないと、翌年に花が見られないことがあります。ユリは深植えにしますので、元肥でなく、地表面からの施肥でいいでしょう。  
 秋まき草花の種まきは秋分のころにまく物が多いのですが、気温が急激に下がっていく季節ですので、遅れないように気を付けましょう。トルコギキョウ、ペチュニア、リビングストンデージーなど種子の細かい物は、種まきした鉢をたらいや洗面器に入れて、下からゆっくり水を吸い上げさせます。種が流れて、片寄らせないためです。  
 プリムラ、宿根フロックス(オイランソウ)、シャクヤクなどは株分けの時期です。宿根フロックスには、もう1種類、シバザクラ(モスフロックス)とも呼ぶ物があります。今月が植えどきですが、すでに植えてある物は、15cmくらいの長さに茎を切り、3分の1ほど土に挿すと容易に根付きます。何年か植えてあると、枯れてきますが、この方法で、更新、再生を図りましょう。  
 大菊は、9月に入ると蕾(つぼみ)が見え始め、開花に向けて進んでいきます。出蕾(しゅつらい)後はしおれないように、十分な水やりをします。  蕾は、心蕾(しんらい)と呼ぶ、株の頂点に現れる蕾と、その下方の葉柄の元に脇蕾ができます。このうち脇蕾は後に取り除きます。9月中は、心蕾の他に脇蕾一つを予備に付けておきます。心蕾が何かの事故で欠損してしまった場合に備えるためです。予備の脇蕾は10月初め、心蕾の花弁が伸びるのを確かめてから除きます。(この記事は「JA広報通信」に掲載されたものです)