2014年10月01日 四季の花づくり

寒さ前にしっかり根を張らせる                               
                           早川京子
 

 秋まき草花の作業が最盛期になります。  
 秋の種まき、球根や苗物の植え付け――はいずれも、寒さが来る前に、根を十分に張らせることが、来春に良い花を咲かせる一つのポイントです。しっかり根を張ることで、厳寒期でも水をよく吸い上げ、冬を耐え抜くことができるのです。  
 秋まき草花は、春まき草花より、少し低い15〜20度で発芽しますが、適期時期の期間が短いので、種子の準備などを周到に行い、まきどきを失わないようにしましょう。  
 秋植え球根は温帯原産の物で、秋の涼しさで根を出し、伸ばして、寒さに当たって、春に花を咲かせますが、十分な「体力」を得て越冬するためには、今月中旬から11月上旬に植え付けましょう。ヒヤシンスなど球根の水栽培は、水温が15度を下回るころから始めます。これは、水温が高いと雑菌が繁殖しやすいからです。  
 先月に種まきして育ててきた苗物は、もうかなり込み合ってきたでしょうから、10月上旬に、一度植え広げて、丈夫な苗に育て、まだ地温が得られる下旬には定植しましょう。  
 苗物で買ってきて植えることが多くなったハボタンですが、種子から育てているものは、10月になって涼しくなってくると、育ちは旺盛になります。株間が込み合ってきたら、下葉をかき取り、生育を調整してやりましょう。通風も良くなります。この先、寒さが感じられるころになると葉が色づき始めますので、鉢や定植場所に植え付けます。  
 秋は、菊花展が各地で催されます。菊作りを始めようという人は、ここで即売されている鉢花を求めて、苗作りのもとにしましょう。買い求めた鉢菊の美しさを楽しんだ後、花が終わったら草丈15cmほどに切り戻して、雨の掛からない場所で、水を切らさないように管理し、来年春先に苗作りに取り掛かります。(この記事は「JA広報通信」に掲載されたものです)