2014年11月17日 四季の花づくり

大事な水やり、深耕作業                    
                              早川京子


 寒さも徐々に加わって、花壇作業はわずかしかありませんが、確実にやっておきたいのが水やりです。  
 苗にしても球根にしても、地上部はほとんど動いていないようでも、根は来たるべき寒さを乗り切り、その先にある開花に備えて、活動しています。アヒルやハクチョウが水面では何事もないように浮かんでいますが、水面下の脚は忙しく動かして、次の行動に備えているようなものでしょうか。  
 苗物や球根が水を十分に吸い上げられないと、体力を落とし、冬越しや開花に影響します。特に、霜よけ、防寒のために覆いをしている所は乾きやすいものです。どの場所も、土の表面が白く乾いてきたら、たっぷりと水をやる、というのを目安にすればいいでしょう。  
 球根は、もうほとんど植え付けを終えている時期ですが、植え忘れている物があれば、今からでも植えておけば、来春、通常の開花期に花を咲かせてくれます。普通の植え付け深さより浅めに植えます。また、地温が低く、根が伸びにくい時期ですので、敷きわらなど必ずマルチをして、保温をしてやりましょう。ヒヤシンス、チューリップ、スイセンなどはかなり遅くなっても大丈夫ですが、中でも、開花後も葉を伸ばすスイセンに、この遅植えのやり方を利用すると、草丈が低いうちに咲き、葉が伸び過ぎるのを避けられます。  
 水栽培をしている球根草花は、根をどんどん伸ばし、栽培容器の底に達するほどに伸びたら、冬の寒さに当ててやりましょう。玄関先や家の中でも0度近くにまで冷える場所に置き、節分のころまで、十分に低温に当てます。当たる低温量が少ないと良い姿の花が咲きません。  
 冬季の作業でやっておきたいのは、土の深耕です。きつい作業になりますので、春先の春花壇の地ごしらえ時期前までかけて、徐々にやっていきましょう。来年一年間の良い花を見るための重要な作業です。(この記事は「JA広報通信」に掲載されたものです)