2015年09月28日 四季の花づくり

ユリの植え付け時期      早川京子


球根の多くは10月中に植え終えるのが良いのですが、まだであれば早めに植えましょう。ただ、耐寒性の強いユリは今月が植えどきです。ユリは球根の上の茎からも「上根」と呼ばれる根を出し、栄養を吸い上げる重要な役目を担いますので、一般の球根より球根一つ分、深植えにします。この上根は茎が土で覆われていないと出ないので、深植えにするのです。
 秋まき草花の苗は、11月上旬には花壇に定植しておきます。ハボタンは気温が下がって寒さを感じるくらいになると、葉が色づき始めるので、このころを定植時期の目安にします。他の草花の定植花壇は、肥料を施しておきますが、ハボタンの植え付け場所だけは肥料を施しません。葉の色づきを悪くしないためです。今植わっている秋咲き草花がまだ、よく咲いていて、苗が植え付けられないときは、育苗ポットに植え替えておき、秋咲き草花が終わり次第、すぐに植え付けられるようにしておきましょう。
 ヒヤシンスなど球根草花の水栽培は、水温が15度を下回るような陽気になったら始めましょう。根の伸長に光はいらないので、発根部から下の部分の容器を黒い布、アルミホイルなどで覆うか、冷暗な部屋の隅に置くようにしましょう。
 サフランが開花する時期になりますが、花が咲かない物があるかもしれません。これは多くの場合、新球根がよく育っていなかったことが原因です。サフランは花が咲いた後、新球根を付け、これが育って芽を出し、また初冬に再び花を咲かせるのですが、新球根が小さいと花を付けません。そこで、新球根を大きくしてやるためには、前年の球根植え付け時に、肥料を十分に施しておくことが重要です。また、水栽培やミズゴケでの栽培では、使った球根には肥料を与えませんので、来年もこの球根を使うのでしたら、肥料を施した花壇などに一度地植えにして、球根を養成しましょう。(この記事は「JA広報通信」に掲載されたものです)